推定の助動詞「らし・めり・なり」の意味や活用【古文】

「らし・めり・なり」 国語

今回は推定の助動詞「らし・めり・なり」を見ていきたいと思います。

他の助動詞についてはこちらの記事でまとめてあります。

Homura
Homura

この講座の難易度は★★☆☆☆です。

「らし」

「らし」の活用形

「らし」の活用表

「らし」は原則は終止形接続の助動詞ですが、ラ変型に活用する動詞や形容詞などには連体形接続になるので注意してください。

「らし」の用法

「らし」の意味は推定だけです。

  1. 推定

推定

ようだ~らしい」と訳します。

例:春過ぎて夏来たるらし(万葉集)
訳:春が過ぎて夏が来るらしい

「らし」のまとめ

それでは、「らし」について簡単にまとめていきましょう。

「らし」は終止形(ラ変型は連体形)接続の助動詞で意味は推定

意味訳し方
推定~ようだ・~らしい

「めり」

「めり」の活用形

「めり」の活用表

「めり」は原則は終止形接続の助動詞ですが、ラ変型に活用する動詞や形容詞などには連体形接続になるので注意してください。

「めり」の用法

「めり」の意味は以下の2つです。

  1. 推定
  2. 婉曲

推定

~ようだ~ように見える」と訳します。

以下で紹介する「なり」とは異なり、「めり」は目で見たものに対する主観的な推定です。

例:子になりたまふべき人なめり(竹取物語)
訳:私の子になりなさるはずの人のようだ

婉曲

~ようだ」と訳します。

場合によってはあえて訳す必要がないこともあります。

例:天禄三年とぞいふめる(蜻蛉日記)
訳:天禄三年というようだ

「めり」のまとめ

それでは、「めり」について簡単にまとめていきましょう。

「めり」は終止形(ラ変型は連体形)接続の助動詞で意味は以下の2つ

意味訳し方
推定~ようだ・~らしい
婉曲~ようだ

「なり」

「なり」の活用形

「なり」の活用表

「なり」は原則は終止形接続の助動詞ですが、ラ変型に活用する動詞や形容詞などには連体形接続になるので注意してください。

ちなみに、「なり」には今回紹介する伝聞・推定の「なり」の他に、断定の「なり」があります。

この2つの判別の仕方については、断定の「なり」の記事に書いてあるのでそちらを参照してください。

「なり」の用法

「なり」の意味は以下の2つです。

  1. 伝聞
  2. 推定

伝聞

という~そうだ」と訳します。

例:男もすなる日記といふものを(土佐日記)
訳:男もするという日記というものを

推定

~ようだ」と訳します。

先に紹介した「めり」とは異なり、「なり」は耳で聴いたものに対する推定です。

例:過ぎぬなり(更級日記)
訳:過ぎ去っていたようだ

「なり」のまとめ

それでは、「なり」について簡単にまとめていきましょう。

「なり」は終止形(ラ変型は連体形)接続の助動詞で意味は以下の2つ

意味訳し方
伝聞~という・~そうだ
推定~ようだ

まとめ

今回は推定の助動詞「らし・めり・なり」についてまとめてきました。

これで助動詞を一通り紹介し終えたため、解説講座はこれにて終了となります。

一連の講座が皆さんの勉強に少しでも役に立ったら幸いです。

タイトルとURLをコピーしました