今回は希望・比況の助動詞「たし・まほし・ごとし」を見ていきたいと思います。
他の助動詞についてはこちらの記事でまとめてあります。
Homura
この講座の難易度は★★☆☆☆です。
「たし・まほし」
「たし・まほし」の活用形
「たし」は連用形接続の助動詞で、「まほし」は未然形接続の助動詞です。
「たし・まほし」の用法
「たし・まほし」の意味は希望だけです。
- 希望
希望
「~たい」と訳します。
例:死にたからず(平家物語)
訳:死にたくない
例:尋ね聞かまほし(徒然草)
訳:尋ね聴きたい
「たし・まほし」のまとめ
それでは、「たり・まほし」について簡単にまとめていきましょう。
「たし」は連用形接続・「まほし」は未然形接続の助動詞で、意味は希望
意味 | 訳し方 |
希望 | ~たい |
「ごとし」
「ごとし」の活用形
「ごとし」は連体形・体言に接続する助動詞です。
また、格助詞の「が・の」にも接続します。
「ごとし」の用法
「ごとし」の意味は以下の2つです。
- 比況
- 例示
比況
「(まるで)~のようだ」と訳します。
例:ただ春の夜の夢のごとし(平家物語)
訳:(まるで)ただ春の夜の夢のようだ
例文では格助詞「の」に接続していますね。
例示
「例えば~のような」と訳します。
例:楊貴妃のごときは(大鏡)
訳:例えば楊貴妃のような者は
こちらの例文でも格助詞「の」に接続していますね。
語幹「ごと」の用法
比況の助動詞「ごとし」は、語幹の「ごと」だけで格助詞の連用修飾格のように、比喩などの意味を表して使われることもあります。
例:身を変へたるがごとなりにたり(竹取物語)
訳:身を変えたようになった
「ごとし」のまとめ
それでは、「ごとし」について最後に簡単にまとめましょう。
「ごとし」は連体形や体言・格助詞「が・の」に接続する助動詞で、意味は以下の2つ
意味 | 訳し方 |
比況 | (まるで)~のようだ |
例示 | 例えば~のような |
語幹「ごと」だけで使われることもある。
まとめ
今回は希望・比況の助動詞「たし・まほし・ごとし」についてまとめてきました。
特に他の助動詞や意味の判別に苦労するようなことはないので、意味や活用をしっかり覚えれば大丈夫です!
しっかりと復習して頭に入れましょう!