今回の記事のテーマは、入試に頻出する中でも、特に間違えやすい古文単語を確認しよう!です。
同じ単語でも、古文で使われた場合と現代で使われた場合で、まったく意味が変わる厄介な単語もあります。
そのような単語を今回は8つ紹介します。
【2023年2月14日追記】
復習に使える問題プリントをまとめのところからダウンロード・印刷できるようにしました。
この講座の難易度は★★☆☆☆です。
さながら…そのまま・すべて
最初に紹介するのは、「さながら」です。
現代語では、「さながら花のように可憐な人だ…」のように「まるで」の意味で使われますが、古文では全く違う意味になります。
さながらは副詞「さ」に存続を意味する接続助詞「ながら」がくっついてできた言葉です。
意味は、存続を意味する「ながら」と同じような「そのまま」という意味と「すべて」という意味があります。
入試ではどちらの意味もよく出てくるので、両方ともしっかりとチェックしておきましょう!
あたらし…もったいない
2つ目に紹介するのは、「あたらし」です。
現代語で使われる「新しい」の意味はまったくありません。
古文では「もったいない」の意味で、連体詞「あたら」+名詞の形でもよく使われます。
同じく「もったいない」という意味の「かたじけなし」などもチェックしておきましょう!
あさまし…驚きあきれる
3つ目は「あさまし」です。
現代語で使われる「浅ましい」のような品性がない、みすぼらしいの意味では使われません。
古文では良くも悪くも「驚きあきれる」ことです。
良い場合と悪い場合のどちらの意味でも使われることがあるので、文脈に応じて判断しましょう!
めざまし…気にくわない
4つ目は「めざまし」です。
めざましと聞くと、現代語では「目覚まし時計」や「目覚ましい活躍をする」などの意味が浮かんできますが、古文では「気にくわない」の意味です。
『ドラえもん』の世界で野球をしていたとして、もしジャイアンが自分を差し置いてのび太がホームラン連発の大活躍をしたらムカつきますよね?
目覚ましい活躍をしている人を見て「気にくわない」と覚えておきましょう。
うしろめたし…心配だ
5つ目は「うしろめたし」です。
現代語で使われる「後ろめたいことでもあるのか?」のように「自分に悪気があって気がとがめる」や「やましい」の意味はありません。
古文では「心配だ」の意味で使われ、イメージとしては、後ろから見守って心配している感じです。
対義語は「うしろやすし」でこちらは安心という意味です。
また、「うしろめたなし」と「なし」が付いた場合でも、この場合の「なし」は状態を表す接尾語のため、意味は変わらず「心配」です。
あらまし…計画・願い
6つ目は「あらまし」です。
現代語では「事のあらましを話す」のように概略を意味しますが、古文では専ら「計画」の意味で使われます。
「まし」は反実仮想や意志を表す助動詞なので、今は違うけど将来はこうなったら良いなという「計画」や「願い」を表しているんだと覚えておきましょう!
いぶせし…気が晴れない・すっきりしない
7つ目は「いぶせし」です。
現代語で使われる「燻す」のように燃やして煙を出すという意味ではありません。
古文では「気が晴れない」という意味で使われます。
現代語の燻すと関連付けて、心が煙だらけでもやもやしてすっきりしないというイメージをしておきましょう!
ありがたし…めったにない
最後に紹介するのは「ありがたし」です。
現代語で使われる「ありがとう」のような感謝の意味では使われないので、注意しましょう。
古文では、「めったにない」という意味で、ラ変動詞「有り」+形容詞「難し」で構成されている言葉のため「あるのが難しい」→「めったにない」と覚えましょう。
また、場面によっては「(めったにないほど)立派だ・すぐれている」の意味でも使われることもあります。
まとめ
今回は現代語の意味と間違えやすい古文単語を8つ紹介してきました。
知らなかった人はこれを機に覚えて、知っていた人は復習として役に立ててくれれば幸いです。
そして、復習の時には是非こちらの記事で紹介した勉強法も使うことをオススメします!
今回の講座の復習に使える問題プリントを以下からダウンロード・印刷できます。
◆単語から意味を答える問題
◆意味から単語を答える問題