今回は、古文で使われた場合と現代で使われた場合で、まったく意味が変わる厄介な単語を紹介する記事の第2回です。
復習の時に便利な問題プリントも以下にあるので、印刷して有効活用してくださいね。
ちなみに、前回の第1回はこちらの記事になります。
この講座の難易度は★★☆☆☆です。
おとなし…大人らしい・思慮分別がある
最初に紹介するのは、「おとなし」です。
現代語では「彼女はおとなしい人だ…」のように穏やかで静かな様子を表す時によく使われますが、古文では「大人らしい」の意味になります。
「大人し」と漢字で理解すると覚えやすいかと思います。
ちなみに、対義語の「幼い」を意味するのは「いはけなし」という単語です。
ねんず…我慢する・祈る
2つ目に紹介するのは、「ねんず」です。
現代語で使われる「念じる」のような「祈る」という意味もありますが、古文で重要なのは「我慢する」という現代語では使われない意味の方です。
神様に念仏を唱えるお坊さんなどは厳しい修行をしていますので、そのイメージと関連付けると覚えやすいと思います。
あくがる…さまよい出る・離れる・うわの空になる
3つ目に紹介するのは「あくがる」です。
字面から「飽きてしまう」などと思ってしまうかもしれませんが、意味は「さまよい出る」です。
ここでいう「さまよい出る」のは「離れる」のように人だけに限らず、心に対しても使われて「うわの空になる」などと訳します。
やさし…恥ずかしい・優雅だ・けなげだ
4つ目に紹介するのは「やさし」です。
現代語で使われる「優しい」ではなく「痩せる」が元になった単語で「痩す→痩せるほど辛い→恥ずかしい」という意味になりました。
「恥ずかしい」という意味から更に転じて、自分が恥ずかしくなるほど「優雅だ・けなげだ」という意味もあります。
また、「優雅だ・けなげだ」といった意味はしばしば和歌を詠む歌人に対して使われるということを合わせて覚えておきましょう。
ののしる…大騒ぎする・評判になる
5つ目に紹介するのは「ののしる」です。
現代語で使う「罵る」のように相手の悪口を言って罵倒するという意味ではありません。
古文では「大騒ぎする」という意味で、この意味から転じて「人々が大騒ぎする→評判になる」という意味でも使われるようになりました。
現代語と違いネガティブな意味ではないので注意してくださいね。
おこたる…病気が良くなる・怠ける
6つ目に紹介するのは「おこたる」です。
現代語で「怠る」と言ったら「怠ける」ことで、古文でもこの意味で使われる場合もありますが、より重要なのは「病気が良くなる」の意味の方です。
「怠る」のが人間ではなく病気の方だと理解しておけば覚えやすくなると思います。
「病気が怠る→病気が良くなる」
をかし…趣がある・美しい・滑稽だ
7つ目に紹介するのは「をかし」です。
清少納言の『枕草子』でもお馴染みの「をかし」ですが、改めて意味を確認しておきましょう!
現代語で「おかしい」と言えば「普通と違う・滑稽だ」という意味ですが、古文では「趣がある・美しい」という意味でしばしば使われます。
「普通とは違う」から「趣がある」と理解しておきましょう。
また、現代語と同じように「滑稽だ」という意味で使われることもあり、入試でこっちの意味が問われる場合もあるので、合わせて覚えておきましょう。
まもる…じっと見つめる・見守る
最後に紹介するのは「まもる」です。
現代語の「守る」の意味だと考えてしまいがちですが、古文では「じっと見つめる・見守る」の方の意味で使われます。
「目で守る→見守る・じっと見つめる」と覚えておきましょう。
まとめ
今回は現代語の意味と間違えやすい古文単語を8つ紹介してきました。
復習用のプリントを以下からダウンロード・印刷できるので是非活用してください。
◆単語から意味を答える問題
◆意味から単語を答える問題