等位接続詞と従属接続詞|英文解釈でも重要な2つの違いとは?【英語】

等位接続詞と従属接続詞 英語

接続詞は大別して2種類あるということを皆さんは知っていましたか?

andやbutなどは等位接続詞、whenやifなどは従属接続詞というものに分類されます。

この2つの接続詞のはたらきや結ぶものをしっかりと理解することは、英文解釈や読解においても非常に大切なポイントになってきます。

そこで、この記事では、初学者向けにこの2種類の接続詞のはたらきや重要性を解説していきます。

Homura
Homura

この講座の難易度は★★★☆☆です。

等位接続詞

等位接続詞の定義

andやbutのように、単語と単語、文と文などの同じ役割の対等な関係のもの同士を繋げる接続詞を等位接続詞といいます。

代表的な等位接続詞は以下の4つです。

  • and
  • but
  • or
  • for

よく使うのはand、but、orの3つです。

接続詞のforはあまり馴染みがないかもしれませんが、「SV,for~」の形で「SVだ。というのは~だから」という意味になります。

等位接続詞を理解する重要性

等位接続詞が何と何を結んでいるのかを把握することは、文法問題・英文解釈・読解のいずれにおいてもとても大切です。

その重要性がピンと来ていない人も多いと思うので、簡単な例文を見ながらそれを解説していきたいと思います。

例文①

まずは、次の例文を読んで和訳してみてください。

I played tennis and
went to a restaurant yesterday.

おそらくほとんどの人は簡単に分かったと思います。

訳は「私は昨日テニスをやって、レストランに行った」ですね。

では次に、例文のandが何と何を結んでいるのかを考えてみてください。

これも大体の人は分かったと思いますが、今回のandはplayedとwentという二つの動詞を結んでいます。

例文②

なんだ、簡単じゃんと思ったであろう皆さんにもう一つ、次の例文を和訳してみてください。

I’d like to be a person like *Watari
who built an *orphanage
for *poor children, and help more people.

*Watari…ワタリ(人名)  
*orphanage…孤児院 *poor…貧しい

この文を、「私は、貧しい子供たちのために孤児院を建てて、よりたくさんの人を救ったワタリのような人になりたい」と訳した人はいませんでしたか?

そう訳した場合はandが何と何を結んでいるか理解できていません!

このように訳した人は、andが結んでいるのはbuiltとhelpだと思ったのではないかと思います。

しかし、andのような等位接続詞が結ぶのは同じ役割の対等な関係のもの同士です。
builtとhelpはたしかに同じ動詞ですが、builtはbuildの過去形なので時制が違います

つまり、対等な関係ではないので、andが結んでいるのは別の動詞になります。

今回の文では、beとhelpをandは結んでいます。

そのため、訳は「私は、貧しい子供たちのために孤児院を建てたワタリのような人になり、よりたくさんの人を救いたい」になります。

正訳と誤訳を比較してみましょう。

例文の誤訳と正訳

間違いの訳と正解の訳は似ているようですが、意味が全然違うことが分かると思います。

このように、簡単な文なら等位接続詞なんて気にしなくても自然に文が読めますが、少し複雑になると等位接続詞の接続関係をしっかり把握しないと文の意味や構造を間違えてしまうことがよくあります!

そのため、等位接続詞が何と何を結んでいるのかをしっかり把握するように意識していきましょう!

ちなみに余談ですが、2つめの例文は、『DEATH NOTE』という作品を知っている人なら元ネタが分かったかもしれませんね。

従属接続詞

従属接続詞の定義

whenやifのように、メインとなる主文にくっつく接続詞を従属接続詞といいます。

主文に”従って”、主文に”属する”接続詞ということですね。

つまり、従属接続詞がつくるカタマリは文の核となる構造には関わりません

しかし、これだけでは説明がフワフワしてしまうので、更に大事なポイントを2つに絞って解説します。

  • 従属接続詞がくっつくと文にはSVのペアが2つできる!
  • 従属接続詞がつくるカタマリは副詞節(副詞のカタマリ)になる!

SVは、主語と動詞です。こういった記号は勉強する時に覚えておくと便利なので、知らなかった人はこちらの記事を見てみてくださいね。

SVのペアが2つできるというのは、以下の例文のような感じです。

My family was killed by *demons
when I wasn’t home.

*demons…鬼

メインとなる主文のSVは、My familyとwas killedですが、whenという従属接続詞の後にまたI wasn’tというSVのペアがきて、文の中にSVのペアが2つできましたね。

そしてもう一つは従属接続詞がつくるカタマリは副詞節(副詞のカタマリ)になるという点です。
例文でいうと、when I wasn’t homeというカタマリが副詞節になって、主文を修飾しています。

これが従属接続詞の大事なポイントです。
等位接続詞は同じ役割のものを繋ぎましたが、従属接続詞は違う役割のものを結ぶということですね。

ただし、that・whether・ifなどの従属接続詞は名詞節(名詞のカタマリ)をつくることもできるので注意してください。
特にthatは名詞節で使う場合の方が圧倒的に多いです。

もし、節と句の違いが分からないという人がいたら、その点についても先ほど紹介した記事に書いてあるので、良かったら見てみてくださいね。

そして、等位接続詞は指で数えられる位の数しかない一方で、従属接続詞はここでは挙げきれない位たくさんあるので、それらは文法書などで勉強してみてください!

ちなみに、例文の訳は「私が家に居なかった時に家族は鬼に殺された」となります。
元ネタはもちろん『鬼滅の刃』です。

従属接続詞の重要性

従属接続詞を理解する重要性は2つあるので、分けて紹介していきます。

英文の構造を把握する際に混乱する要因になる

この従属接続詞をしっかりと理解しなければならない大きな理由は、英文の構造を把握する際に混乱する大きな要因の一つになるからです!

例えば、次の例文を見てみましょう。

With this *operation,
if you kill that *demon,
I’ll give you a kiss.

*operation…作戦 *demon…悪魔

英文を読む上で一番大切なのは、主文のSVを把握することです!
しかし、このように主文の前に修飾語がたくさん入ると英文の構造を把握しにくくなります。

実際の入試の文だと、もっと長い修飾語がたくさん入ってきて最後にようやく主文の主語や動詞がくるなんてこともあります。

そして、従属接続詞が作る節の中のSVを主文のSVと勘違いしてしまうなんてのはよくあるミスです。
そのようなミスをしないためにも、従属接続詞の役割やカタマリの範囲をしっかりと理解できるようにしていきましょう!

この文の場合は、Withからdemonまでが全て修飾語で、主文のSVはI’ll giveです。
訳は「この作戦で、もし君がその悪魔を倒せたら、私がキスしてあげる」です。
例文の元ネタは『チェンソーマン』です。

修飾関係が分からないと読解や和訳にも影響が出る!

従属接続詞をしっかりと理解しておかなければならないもう一つの大きな理由は、修飾関係が分からないと読解や和訳に影響が出てしまうからです!

具体的にはどういう意味なのか、次の例文を見て確認していきましょう。
この例文を和訳してみてください。

Some *reference books looked difficult,
but other reference books looked easy
because they were written in simple words
with many pictures.

*reference books…参考書

この例文を次のように和訳した人はいませんでしたか?

「たくさんの絵が付いて平易な言葉で書かれているので、いくつかの本は難しいように見えたけれど、他の本は簡単なように見えた」

こう訳した人は、becauseという従属接続詞がつくる副詞節の修飾の仕方を間違えて解釈してしまっています。

それは一体どういうことなのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

because以下がどのようにかかるのかは次の2パターンが考えられます。
Aパターン→Some~looked easyの前文すべて
Bパターン→other~looked easyまでの文

この2つで何が変わったかこれだけではピンとこない人も多いと思うので、両方のパターンの和訳も見てみましょう。

Aパターン
「たくさんの絵が付いて平易な言葉で書かれているので、いくつかの本は難しいように見えたけれど、他の本は簡単なように見えた」
Bパターン
「いくつかの本は難しいように見えたけれど、たくさんの絵が付いて平易な言葉で書かれているので、他の本は簡単なように見えた」

Aパターンが最初に示した誤訳の方ですね。

Aパターンはbecause以下が前文すべてにかかっていると解釈したパターンですが、「たくさんの絵が付いて平易な言葉で書かれている」というbecauseの内容と「いくつかの本は難しいように見えた」という内容が矛盾してしまいます

たくさんの絵がついて平易な言葉で書かれているなら、本が難しく見えるわけありませんからね。

つまり、この例文ではBパターンで解釈すれば内容が矛盾しないと分かると思います。

このように、従属接続詞の修飾関係が分からないと読解や和訳の時に内容を間違えてしまう可能性があるので、しっかりと理解できるようにする必要があるんです!

しかし、最初の内は中々難しいと思いますので、まずは和訳の内容が矛盾しないように注意するところから始めてみましょう!

ちなみに、「Some~other…」の形を「いくつか~他の…」と訳すとかなり訳がカタくなってしまうので、「~もあれば…もある」とすると綺麗な和訳になることが多いので覚えておきましょう。

そのため、例文の和訳は、「難しいように見える本もあったけれど、たくさんの絵が付いて平易な言葉で書かれているので、簡単に見える本もあった」と訳せばかなり綺麗な和訳になります。

まとめ

今回は等位接続詞と従属接続詞について、初学者の方向けに解説してきました。

等位接続詞は同じ役割の対等な関係のもの同士をつなぐ接続詞。
従属接続詞は副詞節(名詞節)をつくって、主文を修飾する接続詞。

このことだけでも今回の講座で覚えてくださいね。

より詳しくこれらの接続詞について学びたい方は、専門の方々が書いた文法書を買って勉強してみましょう。

私がオススメする参考書はこちらの記事で紹介しているので、良かったら参考にしてみてください。

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